2012年11月18日
福島令子氏の講演から

点字技能師 秋の学習会講演
福島令子氏 「私と智の歩いてきた道」
福島令子さんは、福島智さんのお母さんで、「指点字」を見つけた方です。
福島智さんは、現在東京大学教授で、障害学を教え、バリアフリーの研究をしておられます。
智さんは、3歳の時右目を失明。9歳で両眼を失明。
小学部4年生から盲学校に編入学。
智さんは9歳の入院時に点字に出会う。
高等部からは、筑波大学付属盲学校に入学。
令子さんは、点字タイプに挑戦してマスター。
高等部2年生の冬、智さんは聴力を失う。
その頃の会話は、点字で、令子さんは、常に点字器と紙を持っておられたが、たまたま手元にその二つがなかったため、直接智さんの指にタイプを打つ要領で点字を打ったのが「指点字」のはじまり。
智さんは、その後大学進学を目指されますが、盲ろうの智さんを受け入れてくれる大学がない中、東京都立大学が、大学が活性化すると入学を歓迎。
令子さんは、ご自分でも言われていましたが、「サザエさん」のような方で、講演というよりも、みんなとおしゃべりをする感じで2時間の講演がすすみました。「指点字」は今や世界中で使われているそうです。
講演の中で読まれた智さんの詩を紹介しますね。
「指先の宇宙」 福島智
ぼくが光と音をうしなったとき
そこにことばがなかった
そして世界がなかった
ぼくは闇と静寂の中でただ一人
ことばをなくして座っていた
ぼくの指に 君の指が触れたとき
そこにことばがうまれた
ことばは光を放ちメロデーを呼び戻した
ぼくが指先を通して君とコミュニケーションするとき
そこに新たな宇宙が生まれ
ぼくは再び世界を発見した
コミュニケーションはぼくの命
ぼくの命はいつもことばとともにある
指先の宇宙で紡ぎだされたことばとともに
(ののちゃん)
令子さんの凛とした声に送られ、学習会の会場を後にしました。
Posted by ののちゃん at 08:00
│点字