2011年03月04日
視覚的描写ということ
2011年2月10日 点字毎日「しあわせのトンボ」を読んで
見出しは「大震災と文章の力」、丸谷才一氏の「文章の力」を引用しての記事。
少し硬い記事ですが、心に残る記事であり、点訳の姿勢に関係もあると感じたので紹介します。
今ライトでは「点訳絵本」の製作や防災に関する点訳を手がけていますが、絵本を点訳する時、その絵本の持ち味を損ねないように、作者の意図を曲げないようにと考え、自分の主観はさけて客観的な点訳を心がけています。たとえば、「大きい、小さい、かわいい、きれい」のような言葉は読む人により受け取り方が違う言葉のため、本文にない場合は使うの避けます。
そしてその過程で、「文章の力」は大事だなぁと思います。
丸谷氏は阪神淡路大震災を扱った文章に「感想はあった。意見はあった。情報はもちろんあった。しかし、視覚的描写はなかった。」と書かれています。専門の文筆家が然るべき地点に立ち、惨状を克明に描けばその伝達力と喚起力は恐るべきものだろうとも。映像時代以前の、関東大震災について書かれた寺田寅彦氏らの文章は、多くの人が目にした惨状を丹念に記し、それは実に視覚的だったそうです。
点訳の基本は、情報をそのまま正確に伝えること。点訳絵本にも、防災にも、触図にもそれは当てはまります。
「視覚的描写」、この言葉は心に強く残りました。地図に点字で説明をつけるとしたら、この「視覚的描写」が生きた情報ではないかと思いました。(ののちゃん)
見出しは「大震災と文章の力」、丸谷才一氏の「文章の力」を引用しての記事。
少し硬い記事ですが、心に残る記事であり、点訳の姿勢に関係もあると感じたので紹介します。
今ライトでは「点訳絵本」の製作や防災に関する点訳を手がけていますが、絵本を点訳する時、その絵本の持ち味を損ねないように、作者の意図を曲げないようにと考え、自分の主観はさけて客観的な点訳を心がけています。たとえば、「大きい、小さい、かわいい、きれい」のような言葉は読む人により受け取り方が違う言葉のため、本文にない場合は使うの避けます。
そしてその過程で、「文章の力」は大事だなぁと思います。
丸谷氏は阪神淡路大震災を扱った文章に「感想はあった。意見はあった。情報はもちろんあった。しかし、視覚的描写はなかった。」と書かれています。専門の文筆家が然るべき地点に立ち、惨状を克明に描けばその伝達力と喚起力は恐るべきものだろうとも。映像時代以前の、関東大震災について書かれた寺田寅彦氏らの文章は、多くの人が目にした惨状を丹念に記し、それは実に視覚的だったそうです。
点訳の基本は、情報をそのまま正確に伝えること。点訳絵本にも、防災にも、触図にもそれは当てはまります。
「視覚的描写」、この言葉は心に強く残りました。地図に点字で説明をつけるとしたら、この「視覚的描写」が生きた情報ではないかと思いました。(ののちゃん)

Posted by ののちゃん at 07:00
│ののちゃん